-
イネ科の植物で、4月中頃から筍となって生え始め、およそ一ヶ月あまりで成長が完成します。一度成長が終わると、毎年太ったり、伸びたりしないので、木のように、太い径のものが年数の経った竹という訳ではないのです。1日に1m以上も成長したという記録も残っています。
-
竹は毎年、新しい地下茎を伸ばし、繁殖を続けます。120年程に一度花を咲かせます。花が咲いてしまうと、竹林全体が枯れてしまい、もとに戻るのに十年ほどかかります。
-
竹は温暖湿潤な地域でよく生育する植物です。日本では、青森県を除く本州、四国、九州に広く分布しています。
主に次の3種類が、竹材としてよく用いられています。
-
日本の竹の中で一番大きな竹です。1736年に中国から琉球を経て、日本に移入されたといわれています。稈の高さ約20m、直径20cmにもなります。一般的に春に食用にされる筍はモウソウチクの筍のことです。
-
中国原産と言われていますが、日本にも古くから生育しています。稈の高さ約20m、直径13cm程です。節の部分がやわらかいので加工しやすく、竹細工などに適しています。竹の皮には毛がない為、肉やおにぎりを包んである竹の皮は、真竹の皮が使われています。
-
中国原産と言われていますが、日本にも古くから生育しています。稈の高さ約20m、直径10cm程です。真竹に比べると、全体に淡い緑色で白っぽい感じ見えます。竹材は細く割ることができるので、茶筅に使われています。
山に囲まれた京都は、盆地特有の気候で夏は蒸し暑く、冬は底冷えのする寒さにより、良質の竹の産地として有名です。
また、平安時代から建材(柱、壁下地)、垣、簾など竹は随所に利用され、鎌倉時代の終わり頃から室町時代にかけては、
茶の湯の隆盛とともに茶道具を製作するのに欠かせない素材として、竹は重宝されてきました。
このように、竹は京都の気候風土と文化都市としての恵まれた環境の中で、深い関わりを持ち、
その時代の中で、すぐれた竹製品や加工技術が生まれ、今日までその技術は脈々と伝えられてきました。
竹を加工し、製品にする伝統技術はいろいろあり、割竹を編み上げる竹籠などはよく知られていますが、
ここでは、あまり知られていない竹の一次加工技術をご紹介します。
-
維持管理された竹林にて伐採を行います。伐採した竹は、自然乾燥し水分を抜きます。
-
伐採してきた竹の表面についた土汚れを水で洗い流します。
-
炭火、ガス等によって竹の表面を熱することで出てくる油をていねいに布で拭き取ります。通常、この作業に平行して、熱いうちに竹の曲がりを直す「タメ」と言われる矯正を行います。
-
太陽光線によくあてて、竹全体をまんべんなく乾燥させます。完成した白竹は、竹の表面に光沢がでて年月とともに琥珀色の透明感が出てきます。青竹1本をこのような手間をかけて白竹に仕上げていきます。